2016年06月08日(水曜日)
◎借金生活から抜け出す方法其の1、ファイナンシャルプランナーに相談してみる。
近年注目されているのが「お金の専門家」といわれることもあるファイナンシャルプランナーという専門家です。
日本ではファイナンシャルプランナーはまだ独立して開業している人は少なく、税理士さんなどがスキルアップのためにファイナンシャルプランナーの資格を取得していることが多いです。
サラリーマンの方の場合は馴染みがないかもしれませんが、中小規模の事業主の方であれば税理士さんは身近な存在ですよね。
現在、借金から抜け出すことができずに苦しんでいるという方は、一度こうした「お金の専門家」と言われる人たちに相談してみるのも手です。
銀行のつなぎ融資などを紹介してくれる場合もありますし、より有利なローン商品を教えてくれるかもしれません。
さらに、どうしても借金の返済のめどが立たないというような場合にはあとで説明するような債務整理の方法を具体的に教えてくれるかもしれません。
借金は一人で悩まず、専門家に相談することが大切です。身内には恥ずかしくて相談できないことでも他人であれば相談できるということもありますよ。
◎借金生活から抜け出す方法其の2、銀行などのおまとめローンを調べてみる。
借金の金額がかなり大きくなっている人の場合、「どこにいくら借りているのか、きちんと把握できていない・・・」という可能性もあります。
このような方におすすめなのが銀行などの「おまとめローン」です。
おまとめローンは複数の消費者金融からお金を借りているような場合に、これらの業者に対する借金を銀行がいったん全部立替る代わりに、立替後には銀行に対して借金を返済していくというものです。
たとえば、消費者金融A社から100万円、B社から50万円、C社から50万円の借金があるという場合を考えてみましょう。
おまとめローンを銀行に申し込むと、審査をした上でA社、B社、C社の借金の合計額である200万円(100万円+50万円+50万円)を貸してくれます。
この200万円を使って消費者金融3社に対して借金全額を返済します。その後はおまとめローンを組んでもらった銀行に対して200万円を返済していくというわけです。
このように、お金を借りる側の立場では「借金の総額は変わらないけれど、借金を返していく相手は1社に絞ることができる」というメリットがあるのがおまとめローンです。
さらに、銀行のおまとめローンは、多くの場合利率も消費者金融各社よりも低く抑えてもらえるので、活用してみる価値は十分にありますよ。
借金の金額が大きくなってくると「借金については考えるのさえ嫌だ」という心理になることは仕方のないことです。
このような場合はまずは「あとどこにいくら返さないといけないのか」を把握することがとても大切です。
おまとめローンを上手に使えば債権者の数を減らすことができて毎月の返済ストレスも減らすことができますし、さらに利率の引き下げなどにもつながる可能性がありますよ。
◎借金生活から抜け出す方法其の3、債務整理の方法を調べてみる。
借金の返済がどうしてもできない場合や、完済までにとても時間がかかってしまう・・・という場合には、「債務整理」という方法も選択肢に入れてみる必要があります。
債務整理は国の法律で定められている合法的なルールです。
消費者金融や銀行などの債権者側に借金の減額を認めてもらう方法のことを言います。
「そんなうまい話があるの?」と思われるかもしれませんが、債権者側としては債務者が夜逃げをしてしまったりして、貸したお金の全額が返ってこないよりは、債務整理により減額された金額を回収できた方がメリットはあるのです。
債務整理は債務者本人が自力で行うことも可能ですが、ほとんどの人が弁護士や司法書士などの法律の専門家に依頼して手続きを行います。
まずはこれらの法律家の無料相談に参加するなどして情報を集めることから始めてみると良いですよ。
◎債務整理4つの方法とは
債務整理には一般的に4つの方法があります。自己破産・任意整理・特定調停・個人再生です。
この4つのうち、自己破産・特定調停・個人再生が裁判所を通した手続きであるのに対して、任意整理は裁判所を通さずに債権者側と直接交渉を行う方法です。
借金の金額がまだ小さいという方は手続きが簡単な任意整理がおすすめです。
ただし、4つのうちどの方法が自分に合っているか?に関しては弁護士などの法律の専門家のアドバイスを受けるのが賢明です。
専門家の事務所では相談だけであれば無料でできる場合がほとんどです。一度相談してみると良いでしょう。
以下、債務整理のそれぞれの方法について必要な手続きや効果について簡単に解説します。
◎自己破産とは?
自己破産とは、裁判所に対して申し立てることにより「借金の全額」を免除してもらえる方法です。
債務整理の中ではもっとも大きい効果があります。
「自己破産」というと一般的には非常に暗いイメージを持たれていますが、実際には自己破産を行ったとしてもその後の人生で成功を収めた人はたくさんいます。
いったんこれまでの借金をすべてリセットして新しい気持ちでスタートできるというのも自己破産の大きな効果といえます。
◎自己破産のメリットとデメリット
自己破産のメリットとデメリットについて考えてみましょう。
自己破産のメリットは上でも書いた通り「借金のすべてをリセットしてもらえる(0円にしてもらえる)こと」です。具体的には裁判所から「免責(めんせき)」の決定を受けることによりすべての借金が免除されることになります。
ただし、一定の債務(税金や社会保険料の未納分や、損害賠償債務、子供の養育費など)については免除されないので注意しましょう。
自己破産にはデメリットもあります。
もっとも大きいデメリットとしては自分が所有している財産については最低限の現金を除きすべて債権者側に引き渡さなければならないことです。
自己所有のマイホームを所有している場合であればその家を競売にかけた上で代金を債権者側に分配することになりますし、自動車なども手放す必要があります。
また、債務整理すべてに共通することですが、債務整理後には新たに銀行や消費者金融でローンを組むことが非常に難しくなります。
債務整理を行うと、いわゆる「ブラックリスト」に登録されることになりますので、金融機関に融資を申し込んでも審査で落とされてしまうのです。
他の債務整理の場合にはこのブラックリスト登録されている期間は5年間程度ですが、自己破産の場合にはさらに期間が長く10年間程度とされています。
その他、自己破産を行うと官報という‑政府が発行する新聞のようなものに名前が載ってしまったり、自己破産手続き中は就けない職業があるなどのデメリットがあります。
◎自己破産の手続方法
自己破産は債務者(借金を負っている人)本人が行うことも可能ですが、ほとんどのケースで司法書士や弁護士などの専門家に依頼して手続きを行います。
専門家に依頼すると借金の金額や、現在の収入や財産の状況を証明する書類をそろえた上で裁判所に対して自己破産手続き開始の申し立てを行います。
特に問題がなければ4ヶ月から半年程度で裁判所での手続きが完了し、晴れて免責の決定(借金を免除する決定)が出されることになります。
◎自己破産を司法書士に依頼した場合
司法書士などの専門家に依頼して自己破産を行う場合、専門家に対する手数料を支払う必要があります。
自己破産の場合、手続き着手時に20万円〜30万円程度を専門家に支払うことになります。
この支払いに関しては分割払いに応じてもらえる場合がほとんどです。その場合は月々5000円〜1万円程度の負担で済みますよ。
自己破産を検討している方のほとんどができれば出費を抑えたいと考えておられることでしょう。現在、手元にお金が少ないという方でも自己破産の手続きを専門家に依頼することは可能ですので、検討してみると良いでしょう。
◎「任意整理」
任意整理は裁判所を通さず、債権者側と直接交渉を行って借金の減額を認めてもらう方法です。
具体的には債権者側と借金を減額した内容で新たに「和解契約」を締結します。
任意整理では最終的に利息の免除という形で和解契約が行われるケースがほとんどです。この利息の免除というのはこれまで発生した利息や遅延損害金を免除するだけではなく、これから借金完済までに発生する見込みの利息も含まれます。
そのため、任意整理による和解契約後は毎月の返済額をすべて元本の支払いにあてられることになります。
借金完済までのスケジュールを大幅に短くできる可能性が高いので、検討してみる価値はありますよ。
任意整理は弁護士や司法書士に依頼した場合は債権者1件につき3万円程度の着手金と、成功報酬として減額に成功した金額の10%前後を支払うことが多いです。
費用に関しては後払いのほか分割払いにも対応してもらえる事務所がほとんどです(これは他の債務整理の方法に関しても同じです)
◎「特定調停」
特定調停は、家庭裁判所に申し立てを行って債権者との話し合いを行う方法です。
裁判所を通した手続きであるにもかかわらず、1件ずつの債権者と個別に交渉を行えるなどの長所はありますが、他の債務整理の方法(任意整理、個人再生、自己破産)と比較すると債務者側にメリットは小さいと言われています。
そのため現在は使われることは少なく、利用者数も年々減少傾向にあります。司法書士などの法律の専門家に依頼するのであれば特定調停を選択するメリットは特にないと考えておいて問題はないでしょう。
◎「個人再生」
個人再生はマイホームを持っている人におすすめの債務整理の方法です。債務整理の中では任意整理と自己破産の中間に位置付けられることが多いです。
利息の免除しか認められない任意整理とは違い、個人再生は元本の減額も認めてもらうことが可能です。
個人再生によって減額してもらえる金額は5分の4程度です。例えば500万円の借金がある人の場合は400万円を減額してもらって、残りの100万円を分割で支払っていくことになります。
減額してもらった後の借金の分割払いの返済期間は原則として3年間となります。
また、自己破産が自己所有の財産については手放さなくてはならなかったのに対して、個人再生では住宅ローンを払い続けることを条件として、マイホームを手放さずに借金の減額をしてもらえるというメリットがあります(住宅ローン特例と呼びます)
個人再生を専門家に依頼した場合の費用はおよそ40万円〜50万円程度となります。
住宅ローン特例を使うかどうかによって費用が大きく異なりますので、事前に費用がどのぐらいになるのかを確認しておくようにしましょう。