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過払い金・借金問題コラム

2017年03月17日(金曜日)

法律の網の目をくぐり抜けて取り立てられていた、借金に対する高い利息。しかし、2006年の最高裁判断によって、過払い金を取り戻すための訴訟が増加し、弁護士事務所などのCM・広告もあってブーム化しました。
その一方で、過払い金が発生しない・請求できないケースがあることはあまり知られていません。そのようなケースでは、消費者金融やカード会社への過払い金請求のような行動を取ることはできないのです。
今回の記事では、そういった「要注意借金」の事例をご紹介します。

■利息が法律の制限範囲内だった場合

そもそも過払い金は、「利息制限法」という法律で定められた金利(法定金利)を超える金利で支払ったお金のことを指しています。かつて、利息制限法の法定金利よりも高い金利を認めていた「出資法」という法律が存在していたため、消費者金融やクレジットカード会社は利息制限法に違反する金利であっても「法的に問題なし」として貸付に適用していました。これを「グレーゾーン金利」と呼びます。
しかし、最高裁が「利息制限法に反している場合は違法」と判断を下したことで、多くの会社は一斉に金利引き下げに走りました。それとともに、グレーゾーン金利の時代の借金返済に対する過払い金返還請求の訴訟が急増したわけです。
具体的には、以下の金利が利息制限法の定める上限となります。

10万円未満  :年20%
10万~100万円未満:年18%
100万円以上  :年15%

逆に言えば、これより金利が低ければ適法です。例えば、奨学金の返済に苦しむ学生・社会人は多いのですが、奨学金に対して過払い金請求の対象になることはほとんどないと考えられます。貸与利率を見てもほぼ3%以内で、上限よりはるかに低い利率だからです。
「利息が高い」と感じたとしても、上記の金利を超えていない場合は過払い金が戻ってくることはありません。

■取引開始が2008年以降・完済から10年以上経過の場合

取引開始が最近だったり、借金完済が大昔だったりする場合は過払い金請求の対象になりません。
なぜなら、2006年の最高裁判断を踏まえ、この年から翌2007年にかけて多くの消費者金融やカード会社が金利を利息制限法で定める範囲内へ引き下げたからです。ごく一部のヤミ金融ならまだしも、一般的な会社であれば、2008年以降の取引に対して過払い金請求が通る可能性はほとんどないと言ってよいでしょう。
また、これ以前の取引であれば過払い金請求できる、という意味でもありません。銀行のカードローンや一部の大手業者など、2006年以前から法令遵守で貸付を行っていた業者もありますので、あくまで金利で考えることが必要です。
また、過払い金を受け取る権利には「完済した日から10年」という時効があり、それを過ぎると権利が失われて過払い金請求ができなくなります。
2006年の最高裁判断からすでに10年以上が経過しており、なおも過払い金請求の可能性がある取引の数は急速に減少していくことが予想されます。「もしかしたら自分も…」と感じたことのある人は、一刻も早く専門家に相談することをおすすめします。

■クレジットカードで買い物した分のお金

残念ながら、クレジットカードで買い物をした際の分割払いの金利は、過払い金請求の対象とすることができません。こうした金利は利息制限法ではなく別の「割賦販売法」で定められた金利手数料なのです。
クレジットカードにはキャッシング枠の他に、買い物できる金額の上限を定めた「ショッピング枠」があります。利息制限法が適用されるのは、あくまでお金の貸し借りに対してです。クレジットカードで言えば、キャッシング枠しか過払い金かどうかの判断対象にはなりません。
カードにおけるショッピング枠の利息が利息制限法の法定利息を超えていたとしても、そもそも管轄の法律がことなるために、過払い金請求の対象とすることはできません。例えば、クレジットカードの分割払い(3回以上)では商品の価格に金利が加算されて請求対象となります。この金利は、利息制限法の定める利息ではありません(割賦販売法)。法律が異なるので、カードで買い物した際の返済分は(どんなに元の金額を超えていたとしても)取り戻せないのです。

■まとめ

今回の記事で挙げた事例は、「過払い金」という言葉だけ知っている人が勘違いしがちな点ばかりです。将来、無駄なお金を払っていたことに気づいたとしても後の祭り。借りる前によく考えて、後悔のない判断を行うようにしてくださいね。

過払い金シミュレーター

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